介護のお金は「初期費用」「毎月の費用」「かかる期間」の3つに分けて考えると見通しが立ちます。まずは全体像をつかみ、在宅か施設かで何が変わるのかを押さえておきましょう。
- 費用は「一時費用」「月額費用」「介護期間」の掛け算でおおまかに見積もる
- 各種調査では一時費用は数十万円、月額は数万円〜十数万円、期間は5年前後が一つの目安
- 在宅か施設か、施設の種類によって月額は大きく変わる
- 原則は「親のお金で親の介護をまかなう」。まず親の資産と年金を把握する
介護費用は「3つの要素」で考える
介護にかかるお金は、大きく次の3つに分けられます。
- 一時費用:住宅改修、介護用ベッドや車椅子の購入、施設入居時の初期費用など、最初にまとまってかかるお金
- 月額費用:介護保険サービスの自己負担、おむつ代、通所・訪問サービスの実費、施設の月額利用料など、毎月かかるお金
- 介護期間:介護が必要になってから終わるまでの年数
「月額費用 × 12か月 × 介護期間 + 一時費用」で、ざっくりした総額のイメージがつかめます。
目安となる金額
生命保険文化センターなどの調査では、在宅・施設を合わせた平均で、一時費用がおよそ数十万円、月額費用がおよそ8万円台、介護期間がおよそ5年前後という結果が繰り返し出ています。ただしこれはあくまで平均で、実際は「要介護度」「在宅か施設か」「地域」「親の収入」によって大きく振れます。
| 要素 | 目安の幅 | 大きく左右するもの |
|---|---|---|
| 一時費用 | 数万円〜数十万円(施設入居ならさらに高額なことも) | 住宅改修・福祉用具・施設の入居一時金 |
| 月額費用(在宅) | おおむね1万〜7万円程度 | 要介護度、利用するサービス量 |
| 月額費用(施設) | おおむね10万〜30万円程度 | 施設の種類(特養/老健/有料老人ホーム等) |
| 介護期間 | 1年未満〜10年以上、平均5年前後 | 要介護になった原因、健康状態 |
※ 数値は各種調査でよく示される「おおよその範囲」です。最新の正確な数字は生命保険文化センターや厚生労働省の調査、自治体の窓口でご確認ください。
在宅と施設で何が変わるか
在宅介護
月額の現金支出は施設より抑えられますが、その分「家族の時間と労力」がかかります。訪問介護・デイサービス・ショートステイなどを組み合わせ、介護する側が倒れない体制をつくることが費用と同じくらい重要です。
施設介護
特別養護老人ホーム(特養)は比較的低額ですが入所待ちが発生することがあります。民間の有料老人ホームは選択肢が広い一方、月額20万円前後かかることも珍しくありません。年金収入で月額をまかなえるかが一つの判断軸になります。
まず親の「お金の状況」を把握する
介護費用は、原則として親自身の年金と資産でまかなうのが基本です。子世代が負担を抱え込むと、自分の老後資金が崩れてしまいます。親が元気なうちに、次の点をさりげなく確認しておきましょう。
- 年金の受給額(毎月いくら入っているか)
- 預貯金・保険・持ち家など、使える資産のおおよその額
- 通帳・印鑑・保険証券・年金手帳などの保管場所
あわせて、実家の片付けと生前整理や、介護保険サービスの使い方も先に読んでおくと、いざというときの動き出しが早くなります。
自分の老後資金への影響も試算しておく
親の介護に一定の持ち出しが発生する前提で、自分の老後資金がどうなるかも見ておくと安心です。
老後資金シミュレーターを試す →